OLCSGとは
About Us

代表挨拶
このホームページを読んでくださる皆様へ
私たち岡山肺癌治療研究会(Okayama Lung Cancer Study Group; OLCSG)は1990年代から30年以上、肺癌の臨床試験に取り組んできました。小細胞肺癌・非小細胞肺癌の様々なフェーズの試験を行い、その成果を国内外で発表してきました。
【私たちの研究理念】
私たちが大切にしているのは「診療密着型の研究」です。研究のための研究というよりも、日々の診療現場で実際に困っていることは何か、そこから出発して、得られた結果を実際の診療に還元できるかどうかを重視しています。大規模な第III相試験実施や高質雑誌への論文掲載ももちろん意義がありますが、「皆に活用してもらえる結果が出せる試験を立案し、遂行し、成果を出せているか」といった視点も同時に大切に捉えています。
【患者さんと社会への貢献】
診療ガイドラインに掲載されるような公益性の高い研究実施も目指しつつ、研究者にとっても、目の前の患者さんにとっても、そして社会全体にとっても真に意味のある研究に挑戦しつづけていきたいと考えています。
私たちが目指すのは、一人一人の患者さんに最適な治療選択肢の提供です。単なる伝聞ではなく、臨床研究を通じて科学的根拠に基づいた治療法を確立し、得られた知見を迅速に診療現場へ反映させることで、治療成績と患者さんの生活の質向上に資する医療の実現を目指します。
【研究の特色と展開】
また、バイオマーカー解析など非臨床の視点も組み込んだ多角的な臨床研究にも積極的に取り組んでいきます。臨床的な治療効果を見るだけでなく、なぜ効くのか、どのような患者さんに効きやすいのかといった機序の解明も含めた研究展開を心がけています。
【多施設連携と次世代研究者育成】
現在、岡山大学病院を中心とした中国・四国地方の10を超える施設が参加し、地域で一体となって臨床研究を進めています。臨床研究を実施する立場からの視点として、多施設共同研究の醍醐味は、一つの施設では経験できない多様な患者さんと接し、より包括的な治療戦略を構築できることにあります。若い医師や医学生の皆さんにとって、今後臨床研究に携わることを通じて、ご自身の医学知識の深化に加え、患者さんの未来を変えうる発見に関わるという、医師としての大きなやりがいを感じられる貴重な経験となることでしょう。研究に関心をお持ちの方は、ぜひ私たちと一緒に次世代の肺癌治療の発展に貢献いただきたく思います。
【結びに】
これからも患者さんの利益を最優先に、現場に根ざした研究活動で肺癌医療の向上に貢献していきます。患者さん・ご家族の皆様、医療従事者の皆様、そして研究にご協力いただく全ての方々のご理解・ご支援を心よりお願い申し上げます。
OLCSG代表 堀田勝幸
沿革
設立と初期の活動(1990年代~2000年代前半)
岡山肺癌治療研究会(Okayama Lung Cancer Study Group:OLCSG)は1990年代に設立され、岡山大学病院を中心とした中国・四国地方の多施設共同研究グループとして活動を開始しました。設立初期から小細胞肺癌・非小細胞肺癌の両領域において精力的な臨床研究を展開し、新規治療法の開発と最適化に取り組みました。
第I相・第II相試験による治療法開発(2000年代)
2000年代中期から後期にかけて、OLCSGは積極的に第I相・第II相試験を実施し、新薬の安全性と有効性の評価において重要な役割を果たしました。シスプラチン・ドセタキセル・イリノテカン3剤併用療法(J Thorac Oncol 2007)、アムルビシン・トポテカン併用療法(Cancer Chemother Pharmacol 2007)など、革新的な化学療法レジメンを開発しました。
局所進行非小細胞肺癌を対象とした第III相試験(2010年)
2010年、OLCSGは局所進行非小細胞肺癌に対する化学放射線療法の大規模第III相試験(OLCSG0007)の成果をJ Clin Oncol誌に発表しました。ドセタキセル・シスプラチン併用放射線療法とミトマイシンC・ビンデシン・シスプラチン併用放射線療法を比較したこの研究は、国際的に高く評価され、治療ガイドラインに影響を与える重要な成果となりました。
個別化医療の推進(2010年代)
2010年代には、OLCSGは個別化医療の推進に重点を置いた研究を展開しました。EGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するゲフィチニブ・ベバシズマブ併用療法(OLCSG1001、J Thorac Oncol 2015)、EGFR-TKI耐性後のアファチニブ再投与試験(OLCSG1403、Cancer Chemother Pharmacol 2018)、ALK阻害薬耐性に対するクリゾチニブ試験(OLCSG1405、Thorac Cancer 2021)など、分子標的治療の最適化に取り組みました。
免疫療法時代への対応(2015年~現在)
2015年以降、OLCSGは免疫チェックポイント阻害薬の時代にも積極的に対応しています。全身状態不良患者における免疫療法の安全性・有効性評価(OLCSG1801、Int J Clin Oncol 2022)、高齢者における免疫療法の検討(Jpn J Clin Oncol 2020)、プロバイオティクスの併用効果(Int J Cancer 2024)など、実臨床での課題解決に取り組んでいます。
支持療法・安全性向上への取り組み
OLCSGは治療効果の向上と並行して、患者の安全性と生活の質向上にも力を注いできました。シスプラチン投与時の短時間少量補液法(ショートハイドレーション法)の安全性確認(OLCSG1002、Jpn J Clin Oncol 2013など)、放射線食道炎予防のためのアルギン酸ナトリウム試験(OLCSG1401、Support Care Cancer 2021)、高齢者に対する治療法の最適化研究など、支持療法の充実も図っています。特にシスプラチンショートハイドレーション法の開発はその後、日本肺癌学会編のてびき発刊に、更には公知申請を介したシスプラチン添付文書の改訂へと展開し、診療現場でのシスプラチン投与の最適化に結実しました。
研究実績と特色
設立以来、OLCSGは複数の英語原著論文を発表し、その多くが国際的な一流誌に掲載されています。特に実臨床に密着した研究アプローチが特徴で、日本人患者の特性を踏まえた治療法の最適化、高齢者や全身状態不良患者への配慮、支持療法の充実など、「診療密着型研究」を一貫して追求してきました。
将来への展望
OLCSGは今後も「患者中心の臨床研究」を基本理念として、精密医療の推進、免疫療法の最適化、支持療法の向上を通じて、肺癌患者さんの予後改善と生活の質向上に貢献し続けます。また、次世代研究者の育成と地域医療との連携強化により、持続可能な研究体制の構築を目指しています。
OLCSG世話人の所属施設一覧

大阪府
事務局
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2丁目5−1
岡山大学病院 呼吸器内科
E-mail: info@olcsg.jp